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《印象・日の出》の面白さ

言わずと知れたこの作品。皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

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モネ《印象・日の出》

この作品は、1872年にモネが故郷のル・アーブルの港を描いたものです。

実は、「印象派」や「印象主義」という言葉はこの作品がもととなって生まれました。

ちなみに、ここでいう「印象」という言葉が意味するのは、彼がル・アーブル港を見たときに「自身が抱いた印象」のことです。

この作品は元々は単に「日の出」というタイトルで1874年の第1回印象派展に出品されました。

それを、当時の保守的な批評家であるルイ・ルロアが揶揄して「印象派たちの展覧会」と評したのです。当時の美術界の権威であったサロンからみると、まるで未完成なもののように映る「印象」という概念自体が好ましいものではありませんでした。

「印象」という言葉は展覧会の図録を製作する際に、あまりにシンプルすぎるタイトルに注文がついたため、モネ自身が後から付け足したものです。

近代化の進む奥の工場群と前近代的な手前の手漕ぎボートが好対照をなしていますね。

もしかすると彼は、時代の移り変わりを「日の出」というタイトルに込めていたのかもしれません。