猫とアートとスポーツカー

猫とアートとスポーツカー(BRZ)中心のブログです。その他にも楽しいと思ったことはたくさん載せます!

痺れたやきもの展

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この展覧会、大当たり!

織部も瀬戸も志野も楽焼もありました。

https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2019_4/index.html

たくさん気づきもあったんですよ🤭

・描かれているのは花鳥風月で人物はほぼない。

瀬戸焼は薄くて磁器に近く、織部、志野、楽焼は厚くて陶器らしさが表れている。

・歪みは持ちやすさを計算してか、高さが低いものほど大きく三角形に近い。逆に高いものほど小さく円に近い。

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こんなかわいい織部もありました。

織部南蛮人燭台といいます。愛嬌がありますよね?

生きるべきか死ぬべきか。それが「本当に」問題だった。

「ラファエル前派」って聞いたことありますか?

19世紀末のイギリスで流行った、ミレイ、ハント、ロセッティを中心とした画家集団です。

彼らが描いた作品の中でも、特にこれは来日したこともあるので、ご存じの方も多いのではないでしょうか?

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ミレイ《オフィーリア》

シェイクスピアの『ハムレット』に登場するオフィーリアが、父親を殺されて溺死する直前に歌いながら川に浮かんでいる場面を描いた作品です。

実はこの作品、制作秘話がかなり壮絶なんです。

描かれている女性はエリザベス・シダルという当時に実在した人物なのですが、ミレイは真冬に彼女を水を張ったバスタブに長時間浮かべたままこの作品を描きました。

彼女は体調を崩して肺炎になりかけてしまいます。彼女の父親はミレイを後に訴えました。まあ、当然ですね。

ただ、彼女の話はここで終わりません。

その後シダルは、ミレイの仲間のロセッティと結婚します。しかし、幸せな生活は送れませんでした。ロセッティの女性関係に悩まされ、結局はアヘンの過剰摂取により自殺してしまうんです。

ロセッティのこの作品に描かれているのは、アヘンに悩まされていた時の彼女です。彼女の死を悲しんで描かれた作品なんです。

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ロセッティ《ベアタ・べトリクス》

おそらく彼女は死ぬべきではなく、生きるべきだった。

でも何も知らない外野の人間には、もしかしたらそんなことを言う資格なんてないのかもしれません。

 

やきものっていいな♪

一昨年くらいからやきものを見ることに美術鑑賞の趣味が広がってきています。

今はこの展覧会に早くいってみたいんです。

www.suntory.co.jp

サントリー美術館で開催中のこの展覧会。

瀬戸も志野も織部もみんな集まっているすごい催しです。

「mino005web.jpg鼠志野柳文鉢 桃山時代 16~17世紀」の画像検索結果

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「志野茶碗 銘 鯨帯」の画像検索結果

やきものって「ちょっと歪んでいる」感じがいいんですよね。

「きっちりした筒形」ってまずありません。

「どこか歪んでいる」のが「味」になる。

そして、その「味」が手のひらにきちんと収まる「便利さ」にもつながる。

「色」も同じものは二つとない。だからこそ珍重される。

工芸品って「使えなければ意味がないけど、使えるだけじゃ味がない」んですよ。

そこが大好きです!

《印象・日の出》の面白さ

言わずと知れたこの作品。皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

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モネ《印象・日の出》

この作品は、1872年にモネが故郷のル・アーブルの港を描いたものです。

実は、「印象派」や「印象主義」という言葉はこの作品がもととなって生まれました。

ちなみに、ここでいう「印象」という言葉が意味するのは、彼がル・アーブル港を見たときに「自身が抱いた印象」のことです。

この作品は元々は単に「日の出」というタイトルで1874年の第1回印象派展に出品されました。

それを、当時の保守的な批評家であるルイ・ルロアが揶揄して「印象派たちの展覧会」と評したのです。当時の美術界の権威であったサロンからみると、まるで未完成なもののように映る「印象」という概念自体が好ましいものではありませんでした。

「印象」という言葉は展覧会の図録を製作する際に、あまりにシンプルすぎるタイトルに注文がついたため、モネ自身が後から付け足したものです。

近代化の進む奥の工場群と前近代的な手前の手漕ぎボートが好対照をなしていますね。

もしかすると彼は、時代の移り変わりを「日の出」というタイトルに込めていたのかもしれません。

岸田劉生展

東京ステーションギャラリーで開催中の「岸田劉生展」に行ってきました!

岸田劉生《麗子肖像(麗子五歳之像)》

岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》

上の作品は、愛娘の麗子を描いたもの。

下の作品は、代々木の風景を描いたもの。

どちらもすごく細かくて写実的ですね。

実は岸田劉生は、西洋画の影響を大きく受けたのですが、その相手がデューラーヤン・ファン・エイクなんです。

どちらも細密描写が特徴の写実的な画家です。

「自画像 (デューラー)」の画像検索結果 

デューラー《自画像》

「アルノルフィーニ夫妻像」の画像検索結果

ヤン・ファン・エイク《アルノルフィーニ夫妻像》

自身が受けた影響を素直に受け止めて、それを高めていく・・・。

「口で言うほど簡単では決してないこと」を見事に成し遂げた画家であるという印象を私は受けました。

みなさんはどんな印象を持つでしょうか?

是非、本展を訪れてみてください。

www.ejrcf.or.jp