「哲学」のある展覧会が好き!
先日、国立西洋美術館の「松方コレクション展」を鑑賞してきました。
これが松方コレクションの中で私が一番好きな「ばら」。
何度鑑賞しても飽きないです。
でもこの展覧会、ゴッホ以外にもルネサンスから印象派以降まで名作ぞろいなのに、なぜか帰り際の私の中では「不完全燃焼」だったんです。
なんとなく「万人受け」を狙った感じがしたんですよね。
誰からも合格点をもらえるような「幕の内弁当」的な展覧会っていう印象でした。
どこかに「媚び」を感じたんです。
私が最近で一番好きだったのは、昨年の「ピエール・ボナール展(国立新美術館)」!
19世紀末にパリで活動した「ナビ派」の一人、「ピエール・ボナール」の作品展でした。
これ、主催側は結構「ギャンブル」だったと思います。
ナビ派って日本では知名度低いし、知っていても「あんまり好きじゃない」っていう人も結構多いし・・・。
でも、「ナビ派大好き!」っていう人たちは、決して少なくない一定数います。私もその一人。
そういう人たちを決して裏切らないとても魅力的な展覧会でした。
「確かにアンチもいるかもしれない。でも、分かってくれる人たちは必ずいる。そういう人たちを裏切らない展覧会をしよう!」という主催側の「哲学」が伝わってきました。
「哲学」をもつことは、どうしてもアンチを作ることになるのかもしれない。
それでも「万人受け」に逃げずに愚直なまでに「哲学」を貫く。
そんな姿勢を持った展覧会が私は好きです。